ジャイアント「TRANCE E+ PRO」XCコースで乗ってみました

ジャイアントからフルサスE-MTB「TRANCE E+ PRO」試乗車をお借りしました。12月7日(日曜日)まで夏草店頭でご試乗いただけます(今週末の土曜日・日曜日は小倉コースでのご試乗もOKです)。

早速、小倉MTBコースで試乗してきましたのでザックリと感想など。

マウンテンバイクとE-MTBの組合せはちょうどよい感じです

E-BIKE(電動アシスト自転車)とマウンテンバイクの親和性の高さが好印象です。国内で販売される電動アシスト自転車は時速24km以上でアシストが解除されるように規定されているので時速24km以上ではただの重たいバイクになってしまいます。いわゆるママチャリ型のアシストバイクではそんなスピードはほとんど出さないと思いますがロードバイクやMTBといったスポーツバイクではどうでしょうか?

ロードバイクタイプではヒルクライムなどの登坂区間はアシストバイクの優位を感じられますが(八方ヶ原ヒルクライムでもトップ選手並みのタイムが出ています)、平坦区間となると中上級者は時速30km以上で巡行していくのでアシストがきかないアシストバイクでこれについていくのはしんどくなってきます。

一方でMTBのメインステージであるトレイルは登りと下りしかなく、XCレースの登り区間は斜度がきつくテクニカルなのでエリートライダーでも時速5km~10km程度となることはざらです。こうした低速域は電動アシストバイクの最もおいしい領域なので、E-MTBは美味しいところをたっぷり味わいつつ余裕をもってご褒美の下り区間に突入できるわけです(自分の脚で登ると下る前に息を整えないとならないような登りも楽々)。

登坂性能は驚異的!

試乗する前はアシストでパワーがあっても滑りやすいオフロードの登りではトラクションコントロールに苦労するのかと思っておりましたが実際にはスムーズにあっけなく登ってしまいました。アシストなしのバイクでオフロードの激坂を上るとペダリングによるトルク変動でスリップしたり、ペダリング動作にともなう左右の荷重変動でバランスを崩したりしてしまいます(速いライダーはこのペダリングやバランスが絶妙なわけですが)。一方でアシストバイクで激坂区間を走る時のペダリング動作はトリガーに過ぎず、その駆動トルクの大半はペダリングではなくモーターによって生み出されているので、トルク変動のないスムーズな推進力によってスリップすることなく滑らかに登ってしまいます。これはびっくりでした。

加えて、エンジン(推進力)と車体のバランスも絶妙で、27.5プラスの太めのタイヤ、駆動力をロスしない140mmストロークのマエストロサスペンションシステムがしっかりモーターのパワーを受けとめるので強力なアシストにかかわらずジャジャ馬のような感じは皆無です。

ちなみにアシスト量は5段階(パワー、スポーツ、ノーマル、エコ、なし)で切り替えられますが、下から2番目のノーマルでも十分速いです(少なくとも私がこぐ自転車よりは速いです)。

下りは楽勝!

バイク重量が重いのですが、重量物(バッテリーやモーター)はダウンチューブやBB付近に集中しているので重心は下がっており下りではネガティブな印象はほとんどありませんでした。

家族やグループでトレイルツーリングにいきたいなというときに体力差を埋めるツールとしてはすごく優秀だと思います。バッテリ駆動時間はPOWERモードでも75km、 ECOモードでは125kmもあるので一日程度のツーリングには十分です。

気になったところ

ペダリングしてから一呼吸おいてアシスト力が高まるのでペダリングをきっかけにしたアクションや、スタンディング状態からの動きだしには違和感というか慣れが必要だと思います。あとやはり重たいのでライダーがしっかり姿勢づくりをしないと思ったようにバイクが動かない部分はあります(普通のバイクに乗り換えるとすごく俊敏に感じます)。

これはこのバイクだけの話ではないですが、あまりにパフォーマンスが高いので登山者等との共存やトレイルの保護といった部分では従来のマウンテンバイク以上にライダーの理性も求められるかなとも感じました。

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